ボロ物件に投資する注意点や投資戦略について
日本では新築物件の人気が高く、古い物件より高額です。予算に限りがある場合、古い物件を安く購入することが選択肢のひとつとなります。築年数の古い、いわゆる「ボロ物件」です。不動産投資において物件選びは最も重要なため、ボロ物件ではリターンが得られないと思うかもしません。しかし、ボロ物件投資にもメリットがあるのです。
ボロ物件投資の魅力
ボロ物件投資の魅力は主に3つあります。
ひとつは安く手に入れることができるため、投資資金を早く回収できるということです。ボロ物件は、新築物件より安く購入できるので、新築物件よりも高い利回りが期待できます。利回りは「年間の家賃÷物件価格」で計算できます。たとえば、年間の家賃が100万円で物件価格が1000万円であれば、利回りは10%です。
一方、家賃が100万円で物件価格が500万円の場合、利回りは20%となります。つまり、後者の方が5年早く投資金額を回収できるのです。この利回りの高さは、新築物件にはないメリットといえます。
また、価格が低いため、ローンを組まずに現金で一括購入することが可能です。ローンを組むと金利上昇のリスクがあります。金利上昇は経済状況に左右されるため、自分でリスクをコントロールできません。金利上昇リスクを避けたい場合、現金一括購入ができるボロ物件は有力な選択肢となります。
そして、自分の好みにアレンジができることもメリットのひとつです。おしゃれにアレンジして、長く住んでもらえる物件に変えることができます。
ボロ物件投資の注意点
ボロ物件投資は魅力がある反面、注意点もあります。まず、建物が倒壊する可能性があります。建物の状態によってはメンテナンスをしなければなりません。とくに新耐震基準を満たしていない物件の場合、基礎を補強する必要があります。近隣住人の方に迷惑をかけないためにも、建物の状態をしっかりと把握しましょう。
また、空室になった場合、次の入居まで時間がかかる可能性があります。ボロ物件はすでに部屋が埋まった状態で購入することが多いです。これをオーナーチェンジといいます。オーナーチェンジの場合、住人がそのまま住み続けてくれれば問題ありません。
しかし、空室になってしまった場合、ボロ物件はあまり人気がないため、次の入居者がなかなか決まらないことがあります。さらに、ボロ物件は金融機関に物件に担保としての価値がないと判断され、融資が下りない可能性が高いです。その場合、現金一括で購入するしかありません。ボロ物件投資をするには、手元にある程度のキャッシュを持っておく必要があります。
どちらがお得?ボロ物件と新築物件
結局、ボロ物件と新築物件どちらがお得なのでしょうか。答えは「投資スタイルによる」です。利回り重視の短期投資ならボロ物件、長期投資をするなら新築物件がお得です。
ボロ物件投資は、手持ちの資金が少なくても投資でき、利回りが高い魅力的な投資です。しかし同時に空室リスクも高くなります。リスクが高くても利回りを重視したい、早く資金回収をしたいという場合にお得な投資方法となります。
一方、長期的に安定した収入を得たい場合は新築物件がお得です。利回りは低くても空室のリスクが低く、安定的な収入が期待できます。また、ボロ物件に比べ売却がしやすいので、売却益を狙う場合にもおすすめです。
ボロ物件の投資戦略
ボロ物件で失敗しないためには、しっかりとした投資戦略が必要です。ポイントをおさえて、自身の戦略を立てます。まず、利回りが高く、短期間で資金を回収できることがボロ物件の特徴です。あらかじめどのくらいの期間で資金を回収するのかを決めて購入しましょう。
また、水回りを使いやすくしたり、壁紙をおしゃれにしたり、物件の魅力が上がるような付加価値をつけます。「物件自体が古くてもリフォームされていればいい」という人は意外に多いものです。適切なリフォームを行うと空室リスクを下げることにつながり、利回りアップが期待できます。ボロ物件は新築物件に比べて売却が難しいため、物件選びは慎重に行いましょう。
注意したいのが、物件によっては現在の建築基準法上の要件を満たしておらず建て替えができないものもあることです。建物が傷んできた場合、リフォームや修繕でしのぐことになります。また、更地にしても新たに建物を建てることができないため、買い手がつきにくいです。最終的に売却できない可能性があるという点をふまえて、自身の投資戦略に沿った物件を購入しましょう。
以上、ボロ物件に投資する注意点や投資戦略について解説しました。手持ち資金が少なくても購入が可能で、高い利回りが期待できるのがボロ物件投資です。しかし、物件の選択を誤ると投資資金を回収できない可能性があります。とくに、売却しにくいという点には注意が必要です。ボロ物件投資はリスクも高いけれど、同時にたくさんの魅力もあります。リスクへの対策を明確にしリスクをコントロールすることで、ボロ物件投資を成功につなげましょう。