【投資家必見】事故物件のメリット・デメリット
事故物件と聞くと、不動産投資家にとってはデメリットしかないように思われがちですが、実は事故物件にはメリットもあります。事故物件についてしっかり知識をつけておくことで不動産投資を成功させることもできます。ここでは事故物件について、メリットとデメリットの両面からご紹介します。
事故物件のメリット
事故物件とは、その家に住みたくないと思われる何らかの理由のある物件をさします。代表的なものは自殺や殺人による死者が出た「心理的瑕疵物件」ですが、そのほかにもシロアリが発生したり、雨漏りしたり、排水管が漏れたりといった「物理的瑕疵物件」、近隣にごみ処理施設や葬儀場などの嫌悪施設があったり、近くのマンションで日照が遮られたりしている「環境的瑕疵物件」、建蔽率や容積率が建築基準法に違反していたり、接道義務を果たしていなかったりする「法的瑕疵物件」などがあります。
事故物件の一番のメリットは、やはり安く購入できる可能性が高いということです。不動産投資で、より大きな利益を得るためには、購入価格を抑えることが非常に重要です。相場より安い物件は買取専門の業者にあっという間に買われてしまいます。そうした意味で、事故物件は個人投資家にも買うことのできるお買い得な物件という見方もできます。事故物件は不動産投資にかかる初期費用を大幅に抑えることができ、うまくいったケースでは利回りが20%という物件もあります。
もちろん「事故物件かどうか」だけで購入を判断することはできません。事故によるマイナスイメージを払拭するために、リフォームやリノベーションを行う必要もあります。オートロックなど人気の設備を導入することでイメージアップを図ることもできます。そうしたリフォームの概算費用も算出したうえで、事故からの経過年数や瑕疵の度合いなども鑑みて総合的に判断してください。
リスクも考えて購入を決めよう
事故物件の情報はインターネットで誰でも簡単に調べることができます。そのためリフォームやリノベーションをしても、事故物件であることを理由に家賃を交渉される可能性は高くなります。安く購入できたとしても安い賃料しかとれなければ、結果的に利回りは小さくなります。イメージアップのための最新設備導入にお金をかけすぎてしまうと、利益はもっと小さくなります。瑕疵物件には告知義務があり、その物件にはどういった瑕疵があるのか借主に説明しなくてはなりません。
そのため客付けハードルは当然高まります。告知期間は客付けするために賃料を値下げせざるを得ず、その期間中の入居者が長期居住してしまうといつまでも利回りは低いままとなります。賃貸物件であれば心理的瑕疵物件の告知義務期間は概ね3年間であることを2021年に国交省がガイドライン案で示しているため、事故物件の購入は事故からの経過年数も購入の判断材料となります。
事故物件は「相場と比べて割安だから」という理由で安易に購入してしまうと、入居者が決まらずにかえって損をしてしまうリスクも抱えています。事故物件を購入する際は、リスクについてしっかりと把握し、事故物件によるマイナスがカバーできる見立てをたててから購入を決めてください。
事故物件は、告知期間中は赤字収支になる可能性が高いことを理解しておく必要がありますし、そこを乗り越えられる資金力も当然必要になります。事故物件の運用は普通の物件と比べて難易度が高いことは間違いないため、初心者は手を出さないほうが無難でしょう。
事故物件のデメリット
事故物件は借り手がつきにくく、その分家賃も安くなってしまうという点がデメリットです。告知期間中の事故物件は、その時点で部屋探しをしている人の候補から外れることがほとんどで、入居者を見つけることは想像以上に難しいです。事故物件を購入する場合は、購入費用の他にリフォームの費用が必要となるうえ、相場から2割程度マイナスした賃料で利益を確保しなくてはなりません。表面ではなく実質利回りでシミュレーションを行いましょう。
自分の保有物件が事故物件になってしまうケースもあり得ます。国交省のガイドラインでは自然死の場合は告知義務の対象とならないとされていますが、自然死であっても発見が遅れて悪臭や虫が発生し、特殊清掃が必要となった場合は告知義務のある事故物件になります。心理的瑕疵の度合いが大きい事件が発生してしまうと、清掃や供養のほか、空室や家賃値下げによる損害額も大きくなります。最近では物件オーナー向けに、賃貸物件で自殺や孤独死、殺人などが発生した際に原状回復費用や事故後の空室、家賃値下げによる損害を補償する保険もあるので、保険を活用してリスクを抑えるのもおすすめです。
事故物件は相場と比べて割安で購入できるため、その後の運用次第では大きな利回りを生む物件に生まれ変わることもあります。心理的瑕疵の程度や事故からの経過年数、リフォームやリノベーションにかかる費用、賃料見立てなど、しっかりとシミュレーションをしたうえで購入すれば事故物件も立派な資産になります。こちらで紹介した内容を不動産投資の成功に役立ててください。