公務員も大丈夫?不動産投資が副業規定に抵触しない理由
公務員には副業禁止の規定があるため、アルバイトをして稼いだりネットショップ経営をしたり、請負業務を探してコツコツ収益を得たりすることは禁止されています。しかし、もっと生活に余力を生み出したい、子育てのために養育費や教育費を貯めておきたいという人もいるでしょう。そこで着目されているのが不動産投資です。
公務員が副業を禁止されている理由を知ろう
会社員の場合にも本業以外の仕事をしてはならない規定が就業規則に盛り込まれていることがよくあります。これは事業利益を生むために自社の事業に専念して欲しいという企業としての要求で、営利目的で事業を行っているからこそ余計なことに時間やエネルギーを費やさないようにする措置となっています。
公務員の場合には事業利益の獲得を目指すわけではないから、余力のある範囲で他の仕事をしてもよいではないかと思う人もいるでしょう。公務員の副業が禁止されているのは、もともと公僕という考え方があったからです。国民の払う税金によって給料が支払われ、身分が保証されているという特徴があります。そのため、公共のサービスのために全力を尽くすべきで、他の仕事に時間やエネルギーを費やしてはならないという考えがあるのです。
これが起点になって会社員でも禁止されているというのが実態です。確かにネットショップ経営などをするとかなりの時間を取られることになり、本業の業務中も気にかかってしまって集中できないこともあります。そのリスクを考えると禁止してしまうのが妥当だと考えられるでしょう。
不動産投資が副業規定に抵触しない理由
不動産投資は副業規定に抵触しないと考えられていて、実際に不動産投資をしている人も多いのには理由があります。不動産投資をしてもそれほど大きな労力が常に必要とされるわけではなく、時間的な拘束もあまり受けないと捉えられているからです。つまり、不動産投資は副業とは別物と考えられているのです。
不動産投資は、不動産を購入して賃貸経営をすることにより家賃収入を得るというもので、経営のために時間もエネルギーもつぎ込まなければなりません。ただ、やり方によっては負担があまりかからず、安定して経営できるようになるとほとんど労力がかからないという性質があります。
不動産投資会社を利用することで用意できる予算や立地などの希望に応じた物件を紹介してもらえるので、物件探しの労力があまり大きくはなりません。また、不動産投資会社では管理会社の斡旋をしていたり、自らが管理会社になったりできる場合がほとんどです。管理を委託してしまえば賃貸経営にかかる労力もほとんどなくなります。
そのため、不動産投資によって本業に悪影響が起こることはなく、問題ないと判断されているのです。
不動産投資が副業にならない条件
不動産投資なら公務員は自由にできるのかというとそうではありません。あくまで副業として行っていても本業に支障がない範囲でしか不動産投資をできません。一般的な基準としていわれているのが5棟10室で、建物の数が5棟以上、あるいは部屋の数が10室以上の不動産投資の場合には事業的規模になるので副業に該当するというのが基本的な考え方です。
小さなマンション4棟を経営していて貸している部屋は9つだけというのであれば規定に抵触しないやり方として認められます。1棟だけだけれど10室あるという場合には事業的規模と見なされて禁止対象になります。一軒家を5軒運用しているという場合にも該当してしまうので気を付けましょう。
また、収入についても制限があって、年間の家賃収入が500万円以下でなければなりません。そして、前述のように不動産投資会社などに相談して管理会社と契約して管理していることが求められます。
このように小規模で管理業務の負担もきちんと軽減されている状況であれば本業に負担がないと見なしてもらえるのです。事業的規模になってしまったり、管理業務を自分で行ったりすると違反になるので注意しましょう。公務員の勤務時間外に行っていたとしても、本業に影響を与える可能性がある場合には認めてもらえないということです。
公務員の副業禁止は税金から給料を得たり身分の保証をしてもらったりしているので本業に集中するように促すための規定です。不動産投資は禁止事項に抵触しないといわれているのは事実で、5棟10室の原則を満たし、家賃収入が年間500万円以下であれば事業的規模ではないのでよいとされています。
ただ、不動産投資では賃貸経営をするので管理業務が発生することは否めません。その業務負担もかからないことが前提にされているので、違反にならないためには不動産投資会社などに相談して管理を委託することが必要です。自分で管理をすることはできないため、管理業務を委託することを見越して最初から不動産投資会社に相談したうえで物件選びもすると効率的でしょう。